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2007.08.19 Sunday

[2007BALI] 6日目/誕生日:予想外すぎるネイティブライフ、夢叶い過ぎ -後編 meets ウブドのネイティブライフ-

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Koyanagi.com引っ越した
乳母さんと末っ子

滝の汗、とは良く比喩するが私達の首やら顔やら背中やら、
見えないけれど足やらなんやらとにかく全身、
それ以上の表現が思いつかないのが悔しいくらい発汗している。

ホテルの担当客室係だったダーユさんとサイクリングに出かけ仲良くなり、
「自転車で10分」だという彼女の家まで
また自転車で出かけることになったのだ。

この道は来るときに、確かに車に通った道。
ジェットコースターと比喩するとまさにそれだが、
坂があまりに急すぎて、
自転車でピューッと下ると気圧の変化で耳抜きが必要な程だ。

で、
人生がそうであるように下ったらその分上がる。
下りと上りはセットなのだ。

今は2山目。

この苦境を回避できた方法を思い返す余裕もないくらい、
自転車に倒れ込む引力で坂を引いて登っている。
一番しんどそうなのは提案者のダーユさん自身。
帰路への道なんだから自転車が可能か判断して欲しかったものだ。

日本では代謝が悪く、汗をほとんどかかなかった私を見て
「うわ!そんなに汗だくのユウを見たの初めてかも」
と言う彼。
確かに、親も知らない姿である。

足腰立つか立たないか、
ある意味自分に自信が持てそうな程のがんばりを見せて
全ての坂、いや山を登りきると、
対岸に私たちが宿泊しているホテル「ナンディニ」が微かに見えた。

実はナンディニよりはっきり目立ち、
なおかつ高級な隣の「ウブド・ハンギング・ガーデン」は
ナンディニと同じオーナーだとか。

ガレージをくぐり抜けると門が見え、
その先から小さい男の子が駆け寄って来た。
ダーユさんめがけて駆け寄ると、
ダーユさんはすぐさま抱きつき、
顔中にキスを浴びせた。

「一番下の男の子ぉ。3才」

奥からゆっくりと乳母さんが表れた。

「明日大きなお祭りぃ。夫、お寺行ってる。コドモ達も、手伝い」

独特な発音の抑揚が、タイピングで表現できないのが悔しい。

バリではお祭りが多いが、
「大きなお祭り」と呼ばれるもののほとんどがお葬式だ。

お葬式を行うには大きく派手な櫓に棺桶を載せ、
火葬場まで長い、長い、パレードをする。

集められたお供え物はトラック2台分必要で
とても1世帯で行えるものではない。

バリ人にとって一番怖いことは、
自分のお葬式のときに誰も手伝ってくれないことで、
そのためには少し窮屈な村ルールでも
村民=家族の意識で協力しあっている。

もっとも、火葬自体は費用がかかりすぎるので、
お金が貯まるまでは行ったん土葬し、
火葬にあった暦に合わせ、掘り起こし共同火葬するらしい。
(宗教上土葬では魂がサイクルしないそうだ)

聞いた話しだとこの「仮の土葬」の時、
棺桶などに入れないので掘り起こした時は
かなりショッキングな光景になるらしい。
でもバリ人に取っては神聖で火葬のために掘り起こすのは喜ばしいこと。
頭蓋骨が見つかったときには一層盛り上がるのだそうだ。
異国だねぇ。

「バリの田舎の家」にダーユさんのご好意で
お邪魔できたことは凄い光栄なことだ。

日本のポンポン菓子のように、
お米を蒸気でカリカリに固めてお砂糖で味付けした
ローカル菓子をごちそうになる。

普通の白い砂糖の他、
ココナッツ砂糖と言う茶褐色のものあったりして、
いろいろ持て成してくれた。

門からこちら側はおよそ60平米ほどの庭があり、
庭全体がリビングのような感覚だ。

その中には
「家族寺」や子供部屋となった小屋、
寝室の小屋、
テレビのある小屋、
お客さん用の小屋、
食料庫、
そして一番奥に大きな母屋がある。
(母屋より先には入らなかったのでどうなっているかは解らない)

そう言った小屋がまるで小さな街みたいに庭に立っているのだ。
庭は庭で、「野菜」のなった木がにょきにょき生えているし、
鶏はそれぞれかごの中で飼われているのが数匹と、
放し飼いが数匹走り回り、
外からやって来た野良犬も出入り自由だったりしている。

ガイドさんからあらかじめ

「バリでは家にそれぞれひとつずつ“家族寺”を持っています」

とは聞いていた。

想像上では神棚か、仏壇か、
それくらいの規模だと思っていたがいやいや。

日本で言うところの「由緒ある名高きお墓」くらいある。
一人暮らしのお部屋がすっぽり入りそうなくらい、立派な作りだ。
こんなにしっかりしたお寺が、全世帯に。
異国だねぇ。

バリ人の食の中心は日本と同じお米なのだがこれまたビックリ。
食料庫=高床式倉庫なのだ。
かの有名な「ネズミ返し」も付いている。
教科書以外で初めて見たよ。
異国だねぇ。

関心頻りで写真を撮っていると、
あの元気が3才男児が突っ走って来た。
人懐っこくて、目が大きくてキラキラで、
「楽しい!」「不思議!」が身体中から溢れている。

兼ねてから折に振れ
「現地のコドモとかと遊びたいー」
と言っていた彼などは孫を見ている祖父並みに顔が緩んでいる。

おお、今、夢、叶ってますね。

どうやらデジタルカメラが気になるみたいだ。
目の前でパチリと撮ってモニターを見せると、
吸い込まれそうなくらい顔を押し寄せて良く見ていた。

もう一度離れて、ぱちり。

またモニターを見せると
今度は「今の自分が映っている」
ということが分ったようで

「アーーーー!!」

とでかい声を出してカメラをわしづかみした。
私の首にカメラのストラップが付いていなければ、
興奮のあまりカメラをぶん投げん勢いだ。
そこへちょうど、
ダーユさんがバリコーヒーを持って来てくれて救われた。

最初に長男が帰って来た。
11才と言う微妙なお年頃は日本もバリも変わらない。
左手に木の枝を引きずりながら、
挨拶もせず仏頂面で入ってくると、
ダーユさんと何やら言葉を交わし、
枝をブンブンと振り回し、
自分の部屋へ行ってしまった。

「父親とケンカしてるぅ。口聞いてない」

とのこと。
うん、それって正しい成長ぶりだよね。

次にピンクの衣装に包まれた、女の子が入って来て、
いつもなら仕事で居ないはずの母親を見つけて
発狂せんばかりの勢いで声を上げて走って来た。

とりわけハイテンションでおてんばな長女は5才。

そのあとからダンナさんも入って来た。
どうやらお寺での手伝いが終わったようだ。

バリの人は(ダーユさんは?)人の話を覚えない。
何度となく聞かれたのだが、
今夜の夕飯の予定や明日の予定を聞かれる。

いつしか何度も答えることに馴れている彼。
間違いなくコミュニケーション能力が私より高い。

そこで食べてみたいバリフーズの話になり、
これまたかねてから気になっていた
バリのローカルフードブタ丼こと
「バビグリン」が食べてみたいと話した。

バビグリンとは、
そもそも冠婚葬祭時に食べられる、
ブタの様々な部位を乗っけた祝い食。

ブタ一頭潰さねばならないので高価な食事だったのだが、
ワルン(屋台)で登場してから大人気に。

有名店だとウブドの「イブオカ」
(昨年改装してIBU OKAの「I」が消えたらしい。店名なのに…)
では昼過に売り切れるとか。

ダーユさんが立ち上がり、
長女の手を引くとバビグリンを買って来てくれると。
で、私も一緒に行くことに。

ウブドの田舎道を原付バイクに3人乗して疾走しました。

ハイテンションなおてんば娘が
バイクのクラクションをめちゃくちゃに鳴らすと、
その度に自分で大爆笑しているので釣られて笑ってしまう。

程よく排他的な広場に(笑)広がるnot観光客向けのワルン達。

本当にブタ1匹さばいてあるので、
ちょっとグロテスクな光景に少し怯む。

ダーユさんが店員にあれこれ言いながらオーダーしてくれる。
辛さの融通などを聞いてくれた。

バビグリンを受け取るとおてんば娘が隣のワルンに駆け寄った。

軒先には色とりどりのフルーツ?やらゼリー?やらが並んでいる。
おてんば娘にせがまれてダーユさんが何やらオーダーした。

店員さんは手際よくビニール袋に7種類程の「何か」を入れてゆき、
最後にかき氷を詰め込んで鮮やかなピンクのシロップをかけた。
「エスチャンプル」というインドネシアの一般的なデザートらしい。
(チャンプルは混ぜる、と言う意味。沖縄と一緒)

私の頭の中にはガイドブックに必ず記載してある一文が、駆け抜けた。

「生水に注意」

氷だって水だ。

生水で出来た氷か、煮沸した水から作った氷か見極める方法がある。

氷の色を見るのだ。

煮沸した水は中の空気が抜けて、氷にすると透明になる。

ちらりとかき氷機の隣のバケツを見る。
素手で鷲掴みにしてかき氷機に補充されるその氷の色は、

真っ白だった。

無意識に「南無三だ…」と思った。

ダーユ邸に戻り、彼にそれぞれ手渡されると、彼は私の顔を見て、
私と同じようにある決意を持ったような表情を浮かべ

「オレ、覚悟決めたよ」

とささやいてから

「いただきます」

と食べ始めた。

味はバビグリンもエスチャンプルも非常にバグース(おいしい)!
私は辛いのが苦手なので、
後半のバビグリンには辛さ控えめでも難儀した。

エスチャンプルもおいしかった。

ピンクはスイカ味みたいだが、ココナッツの風味もして。

かき氷と言うよりフルーツポンチ、
ドリンクデザートと呼んだ方が良い出で立ちになっていたが、
良い頃合いでおてんば娘にあげることができたので、
数日前のワルンの食事みたいに吐きそうにはならなかった。

日もとっぷり暮れて、
今度はお祭りに誘われた。

サロンと言う巻きスカートとスレダンという腰布を借りる。
彼は男性が付ける頭の巻物ウダンも借りた。

土着宗教も取り込んでいるヒンドゥー教では空=父、大地=母で、
結び目が上を向いてるウダンが父を表し、
下を向いたスレダンが母を表し、尊敬を表現しているのだとか。

文字通り頭からバリの正装に包まれた彼は暗闇で肌の色も分らないし、
みんなにバリ人に似てると言われまんざらでもない様子だ。

歩いて数分のところにあるお寺で行われているのはお葬式の前夜祭だった。
お寺は3つの空間からなっている。

一番外側は演芸場。踊りを踊ったり、習ったりするところ。
二番目は炊事場。お祭りの時の食事が用意される。
一番奥は神が居る場所。お祈りをして、お供え物が捧げてある。

ダーユさんの紹介もあり、村人と一緒に奥の広間まで案内してもらう。
村人をもっと親しい呼び方で「家族」と表現していたのが印象深い。
うっかり明日のお葬式にも誘われたのだが
予定があったのでお断りさせてもらった。

まさか旅先でお葬式に誘われるとは思てなかったが。

ガイドさんの話の記憶をたどる。

ヒンドゥー教では死は必ずしも恐ろしいことではないそうだ。
現世での修行を終えて、死を繰り返して再生し、
魂が浄化されて行くと考えるからだ。

信心深い人と、
村のルールだから仕方なくやってる人もいるけどね、
と付け加えていた。

二番目の炊事場で今夜にでもサテ(バリの焼き鳥)になるであろう、
白い鶏が何匹も足をくくられ、
そのときが来るのを大人しく待っていた。
ペットボトルを投げつけられる
鶏肉が君たちなのは知っているが、
ちょっぴりショッキングな風景だ。

そのショックに驚いていると、
テンションが上がりきったおてんば娘から奇声とともに空のペットボトルを投げつけられた。

派手に「追いかけるぞ」とというリアクションをとると、
更に魂まで抜けそうな絶叫を上げて逃げて行った。

帰りはダーユさんのダンナさんがトラックを借りて来てくれて、
自転車を載せ、真っ暗な山道を送ってくれた。
車はトラックなので前の座席しかない。
「乗れる!乗れる!」
と招き入れられたのはドライバーのダンナさんを含めて
大人4人と甘えん坊の末っ子ひとり。
明らかな積載量オーバー。

「今、ここに乗ってる大人、全員同い年だね。」

なんて言いながら不思議な一晩をおもしろがっていた。

ホテルに戻るとまだ20時。

お腹は空いていないが、レストランでまた、舞踊を見ながらお茶でもする。

「お誕生日おめでとう」

と、彼がポケットから昼間拾ったフレッシュカカオをおずおずと出した。

そうだ、今日は私の誕生日だったのだな。

確かにスペシャルな一日には違いなかったが、
30才のアニバーサリーディとして考えると、
私の女性としての側面からあの疑問詞が湧き上がった。

「おやおや?」

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back-前編 meets フレッシュカカオ- へもどる
この旅行記のINDEXはこちら。
読書[2007BALI] 7泊8日バリ旅行記INDEX

ご注意
このバリ旅行記は2007年7月下旬〜8月上旬に行った記憶を元に執筆しています。
自分の主観と本で読んだこと、現地で聞いたことなどをベースに記載しているので記憶違い、受け取り違いなどある場合があります。鵜呑みにせず「トモダチの土産話」程度に、気楽にお読みください。


ダーユ邸 庭
これが、おそらく典型的な「ウブドの民家」
門をくぐった後のリビング的な庭部分。広いよ。

高床式倉庫(ネズミ返し付き)
けっこうでかい食料庫。お米が入っている。

門の前に何気なくあった石像
家の門に何気なくあった石像。この年期から憶測するに長く受け継がれた家なんだろうね。

家族寺
全貌は分らないけど、うちより広そうな家族寺。

末っ子
末っ子の顔の上の方に何やら映り込んでいる。バリではしばしば、不思議な写真が撮れます。

末っ子の厳重なカメラチェック
楽しいことも、興味深いことも、全身で表現するよ。

エスチャンプルの屋台
何一つパッと見じゃ正体が分からない、バリのかき氷エスチャンプル。

ダーユさんとおてんば娘
おてんばすぎて写真になかなか収まらないおてんば娘とダーユさん。

うるるんみたい…
うるるんみたいだね。

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コヤナギ ユウ YU KOYANAGI
KoyanagiYu Yu Koyanagi:Graphic Designer, Illustrator, Editor, Blogger
twitter. @KoyanagiYuinstagram.com/koyanagiyu/
The chief editor for Tokyo Nylon Girls.(http://nylongirls.jp/) The world Chengdu panda ambassador semi-finalist (2012). Special knowledge in Shinto culture.(I have license for Shito knowledge test!) Love coffee and chocolate. (I don't drink alcohol unfortunately)

コヤナギユウ
デザイナー、イラストレーター、エディター。
yours-store代表、東京ナイロンガールズ編集長。77年新潟生まれ。生クリームとマヨネーズが苦手で英語が不自由。コーヒーとチョコレートが好きな、神社検定3級、世界成都パンダ大使セミファイナリストカナダ観光局公認ブロガー観光大使。 >>くわしく
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